日本精機製タイムカプセル
みなさん、秋田県児童会館の二階、図書室入口にタイムカプセルが置かれていたのをご存知ですか。
1月16日の夕方、会社に一本の電話が入りました。電話の相手は『秋田県あきた未来創造部、次世代・女性活躍支援課』と名乗り、現在行っている秋田県児童会館の全面改修工事後の3月31日、リニュアルオープンの際に30年前に収めたタイムカプセルの開封する時期にあたるため、事前にカプセルの開封手順を教えて欲しいとのことでした。社内で30年前にタイムカプセルを製作した記憶のある者はおらず、相手に「本当に日本精機で製作したのですか?」と尋ねると、タイムカプセルの銘板に“日本精機”と記載されているので電話した、とのことでした。半信半疑ながら、場所も会社から近いのでとりあえず後日確認しに行きますと返答し、その場を終えました。もしも本当に日本精機が製作しているのであれば図面があるはずだと書庫を探しました。
しかし30年前の記録なので図面台帳を探すのに一苦労でした。そして当時の売上表からようやく「タイムカプセル」の文字を発見しました。納入先は秋田県児童福祉課と記載されており、図面台帳を捲ったところ「G89009」の図番が判明し、すぐさまファイルを確認すると確かにタイムカプセルの図面がありました。製作年は1989年9月。電話の話の通り、30年前に、本当に、日本精機がタイムカプセルの製作をしていたのです。
2月5日に改修工事が落ち着いた頃合いをみて、児童会館に出向き、実物を確認しつつ開封手順を指導してきました。カプセルは大変きれいな状態を保持していました。カプセルの中には30年前の小学生親子の読書感想文が入っているそうです。当時の皆さんの思い出がいっぱいに詰まっているのだなと感じました。日本精機の圧力容器製作技術と技能を生かし、人々の思い出までも保存できる凄さに改めて感動した出来事でした。